トンネルの中にあるシャトルバス乗り場から，今度は板橋会場を目指します。
　板橋方向への道路は，トンネルを出て２層式の高架の上段まで駆け上がると，その先で大きく右へ，ほぼ直角にカーブします。

　板橋会場へは，すぐに到着しました。左の写真は会場入口の様子です。
　この付近は，既に高層マンションなどが林立する中に建設されたため，道幅は都心部並みの狭さです。加えて午後になって人出も増えた事もあり，かなり賑やかな雰囲気です。

　板橋会場では，公団の作業車や消防車・救急車の展示，人工呼吸教室などが行われていました。→会場案内図（再掲）

　左の写真の車は何だか分かりますか？
　トンネルの壁面やガードレールを掃除するための作業車だそうです。
　写真は，その作業車を，実は後ろから撮影したものです。前には普通のトラックと同じ様な運転台があります。恐らく，こちら側に向いている窓の内側に，運転手とは別の作業員が後ろ向きで座って，ブラシの様な部分を操作するのでしょう。

　車輌展示コーナーの先は，板橋ＪＣＴの，５号池袋線に合流する少し手前まで歩いて行ける「ウォーキングゾーン」になっています。
　「ウォーキングゾーン」は全区間往復すると2.4km（1.2kmの往復）あるそうで，左の写真の分岐点付近に1kmの看板が立っていました（左の写真の場所から，更に渋谷方向へ数百m行った所が折り返し点）。

　…ん!?　ちょっと待った！
　２つ上の，会場入口の写真に，この分岐点まであと1kmである事を示す標識が写ってますよね。そしてここから車輌の展示が延々と続き，「ウォーキングゾーン」のスタート地点はその先にあるんです。なのに，この場所が「ウォーキングゾーン」の1km地点というのでは，計算が合いません。
　看板が間違っていたのか，標識がアバウトなのかは，私には分かりません…。

　また，標識の真下の辺りに敷き詰められているのは，黒くて分厚いゴムマットです。このマットが敷き詰められた箇所は，未開通区間の全体にわたって所々にあり，このマットの上以外では，作業車は転回（Ｕターン）してはいけない事になっています。重たい作業車によって，開通前に舗装が傷まない様にするための措置なのでしょう。

　板橋会場からは，シャトルバスを乗り継いで五色桜大橋会場まで戻りました。
　板橋から五色桜大橋の方へ向かうシャトルバスも，同じく上段の道路を走ります。前にも触れた通り，上段の道路は本来は内回り，つまり五色桜大橋から板橋方向への車線ですから，開通後は，上段の道路をこの方向に走る経験は，通常はできなくなります。

　左の写真は，その，いわば逆走する形で板橋から王子へ向かっているところ。遠くに見える防音壁の先が飛鳥山トンネルです。ちょっと写りが不鮮明ですが，開通後は絶対見られない光景ですよ。

　午後２時頃になって，子供連れを中心に，人出が一段と増えました。王子でも五色桜大橋でも，記念品のストラップやゴム風船は，もう品切れになっていました。

　話が前後しますが，「開通後はできなくなる」といえば，今回はこんな記念写真を撮る事もできました。危険ですから，開通後は絶対に真似しちゃ駄目ですよ(笑)。

　見学会が行われたのは，平成14年11月30日と12月1日。この時点では，まだ正確な開通日時は決まっていませんでしたが，激しい交通渋滞が起こる年末に間に合わせるため，「クリスマスの頃」という事だけは決まっていました。
　つまり，開通まであと１か月未満という事なのですが，まだ，標識の設置や路面のライン引きばかりでなく，開通までに設置されるはずの防音壁がまだ取り付けられていない箇所も多々あり，本当に年内に間に合うのか，いささか疑問に感じました。

　案内に立っていた公団職員は，開通予定まで１か月を切っても日時が決められない事について，開通式に首相や都知事を招待したいが日程調整ができていないため，と説明していました。しかし，理由はそれだけではないのではないかな…という気がします。

　（見学会が終わった翌々日，12月3日に，公団は開通日時を「12月25日18時」と発表しました。ぎりぎりでクリスマスに間に合う目処がついたのでしょう。）